遅報・ファウルボール訴訟に判決下る
楽天ファウルボール訴訟 負傷男性の請求棄却 仙台地裁判決(河北新報)
仙台市宮城野区の日本製紙クリネックススタジアム宮城(Kスタ宮城)の内野席でプロ野球東北楽天ゴールデンイーグルスの試合を観戦中、ファウルボールでけがをしたのは球場の安全対策に不備があったためだとして、大崎市の税理士男性(48)が楽天野球団と球場を所有する宮城県に約4400万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、仙台地裁は24日、男性の請求を棄却した。
関口剛弘裁判長は「球場の安全対策は当然だが、観客にも注意が求められる。近年は内野席をせり出させた球場が好評で、臨場感はプロ野球観戦に欠かせない要素。過剰な安全施設はプロ野球の魅力を減らす」と判断の前提を示した。
その上で「(Kスタ宮城の)内野フェンスはプロ野球開催球場の平均的な高さで、ファウルボールへの注意喚起も行われている。安全対策は十分だった」と判断。「プロ野球観戦では臨場感を確保する必要がある。フェンスを高くするなどの措置は、臨場感を損なうことになりかねない」と述べた。
判決によると、男性は家族3人と2008年5月18日、Kスタ宮城の三塁側内野席で試合を観戦。2回裏の東北楽天の攻撃中にファウルボールが右目を直撃し、搬送先の病院で眼球破裂と診断された。
ボール直撃による賠償請求棄却 プロ野球楽天ファウル訴訟(共同通信など)
プロ野球観戦中にファウルボールが右目を直撃し、視力が低下したのはネット設置などの安全対策を怠ったのが原因として、宮城県の税理士の男性(48)が主催者の楽天野球団と球場所有者の同県に約4400万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、仙台地裁(関口剛弘裁判長)は24日、男性の請求を棄却した。
男性側弁護士によると、ファウルボール事故による損害賠償請求訴訟の判決は初めて。
関口裁判長は「安全対策に合理性が認められる場合、来場者に危険なことが起きても、球場の設置者にとっては不可抗力というべきだ」とした上で、フェンスの高さやファウルボールへの注意を促す看板を設置していることを挙げ「球場として通常備えるべき安全性を備えている」と指摘した。
また「臨場感も観戦における本質的要素で、必要以上に過剰な安全施設は観戦の魅力を減少させ、プロ野球の発展を阻害する要因になりかねない」との解釈も示した。
判決などによると、男性は2008年5月に楽天対西武戦をクリネックススタジアム宮城(仙台市)の三塁側内野席で観戦。二回裏、ビールを足元に置いて顔を上げた際、ライナー性のファウルボールが右目を直撃し、視力が以前の0・3から0・03に下がった。
楽天野球団は「原告の方をお気の毒に思う。今後もお客様の安全と臨場感の双方に配慮した興行に努力していく」とのコメントを出した。
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関連エントリー:ファウルボールにご注意ください!
千葉マリンスタジアムのシーズンシート案内にて、フィールドウィングシートは、
「2011年より試合中には防球ネットが装着される予定です」とあったが、
すでにネットが張られていたフィールドウイングシートの画像を見るにつけ、
誰が見ても臨場感半減なわけで。「お客様の生命にかかわる重大な事故の発生を
未然に防ぐため」としてヘルメット着用を強制したり、チケットの裏面に
「球場内で試合や練習中にファールボールなどが原因で負傷された場合、
応急措置はいたしますが、その後の責は負いません」と表記するなど
現状の安全対策が限界なのだろう。関連エントリーにあったように、
「事故防止だけでなく観戦を楽しんでもらうためにも、
試合中はボールから目を離さないでほしい」ことを忘れないでほしい。
(10/23追記)ファウルボール訴訟 負傷男性の控訴棄却 仙台高裁判決
(河北新報)
仙台市宮城野区の日本製紙クリネックススタジアム宮城(Kスタ宮城)で、プロ野球の東北楽天の試合を観戦中、ファウルボールでけがをしたのは球場の安全対策に不備があったためだとして、大崎市の税理士男性(49)が楽天野球団と球場を所有する宮城県に約4400万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、仙台高裁は14日、男性の控訴を棄却した。
田村幸一裁判長は「内野席フェンスやバックネットの設置に不適切な点はない。危険なライナー性のファウルボールを完全に防ぐ方策を講じることまで、備えるべき安全性として求められてはいない」と判断した。
判決によると、男性は2008年5月18日、Kスタ宮城の三塁側内野席で観戦中、ファウルボールが右目を直撃し、搬送先の病院で眼球破裂と診断された。
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