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2011/11/25

清武・桃井氏の言い分どちらが正しいのか?

清武英利前ジャイアンツ球団代表兼ゼネラルマネジャー(GM)が25日に日本外国特派員協会での会見で読み上げた文書全文は以下の通り。

関係者各位
2011年11月25日
清武英利

私が本日、皆さんに主に訴えたいことは6点です。
まず、第1点は、今回の問題は株式会社読売巨人軍の適正手続に従って決まっていたコーチ人事を、巨人軍の取締役会長である渡邉恒雄氏の鶴の一声で、違法、不当にも覆そうとしたことに端を発するということです。渡邉氏は日本の最大部数を誇る読売新聞のグループ本社代表取締役会長・主筆です。
私は、渡邉氏の行為は巨人軍という組織に重大な混乱を招き、重大なコンプライアンス違反であるから、翻意するように何度もお願いしましたが、渡邉氏は「1、2年後には君を社長にする。すべてのことを受け入れて、専務取締役球団代表・オーナー代行として仕事を続けてくれ」などと拒まれました。
11月11日の会見直前に渡邉氏から「会見をやめろ」との電話を受けましたが、最後は説得ではなく、「君は破滅だぞ。読売新聞と全面戦争になるんだ」といった恫喝でありました。
巨人軍オーナー(当時)兼代表取締役社長の桃井恒和氏自身も11月4日の渡邉氏の突然の翻意を聞き、「もうやっていられない。俺辞表出すよ」とまで言って憤りをあらわにしていました。当初、鶴の一声に真っ向から反対したのは桃井元オーナー自身だったのです。私は桃井元オーナーの言葉を聞き、この渡邉氏の横暴は絶対に食い止めなければならないほどのコンプライアンス違反と判断し、記者会見の場で公然と渡邉氏に翻意を促したのです。
コンプライアンス・内部統制は、株式会社にとって本質的に重要なものであり、裁判例もコンプライアンス・内部統制を維持することは、取締役の善管注意義務及び忠実義務の内容をなすものと判示しています。
近年では、株式会社は、株主のものであると同時に、取引先や従業員、一般社会などの全てのステークホルダーのものであるという考え方が主流となってきています。
読売巨人軍に即していえば、巨人軍は、株主である読売新聞グループ本社のものであると同時に、選手、コーチ、監督のものであり、また、読売巨人軍及びプロ野球のファンの皆様のものでもあるのではないでしょうか。
そして、株主や従業員、取引先などのステークホルダーの信頼と期待を裏切らないために、コンプライアンス・内部統制の維持が強く求められ、代表取締役をはじめとする全ての役員及び従業員一人ひとりが、コンプライアンス・内部統制維持のために必要な行動をとることが要請されていると思います。
私は、私の行動がプロ野球界や企業社会におけるコンプライアンスのあり方やGM制度のあり方など、生産的な議論につながることを心から願っています。私に対する解任は、何とか「お家騒動」「泥仕合」に持ち込み、そのゴタゴタの中で、違法・不当な処分を強行し、本質的な議論を抹殺しようとするものに他なりません。
第2点は、日本のリーディングペーパーの最高実力者である渡邉氏が、多くのマスコミの前で確信犯的に虚偽の事実を述べたという驚くべき事実です。
11月4日、渡邉氏は多くのマスコミの前で、「俺は何にも報告聞いていない。俺に報告なしに、勝手にコーチの人事をいじくるというのは、そんなことありえんのかね。俺は知らん。責任持たんよ」と発言しました。
真実は、私と桃井元オーナーが10月20日、コーチ人事等について、書類をもとに1時間半にわたって報告していたのです。この点については、渡邉氏自身が私の声明に対する反論のなかで、実際に報告があったことを認めていますし、桃井元オーナーも記者会見の中で明言しています。今回の渡邉氏によるコンプライアンス違反は、この11月4日の虚偽発言から始まっています。
第3点は、適正手続を無視した今回の渡邉氏の行為が、実は江川卓氏やファンを愚弄するものであるということです。
2011年10月20日、桃井元オーナーとともに、岡崎郁氏をヘッドコーチにする等のコーチ人事編成、来季の戦力構想を渡邉氏に書類持参で報告し、確定したにも拘わらず、同年11月9日になって、渡邉氏は桃井元オーナーや私に「来期の巨人軍の一軍ヘッドコーチは江川卓氏とし、岡崎郁ヘッドコーチは降格させる」と一方的に通告してきました。
11月9日や11月11日に私が渡邉氏とお会いしたり、電話で説得を受けたりした際にも、この人事の翻意をお願いしましたが、渡邉氏は「巨人は弱いだけでなく、スターがいない。江川なら集客できる。彼は悪名高いが、悪名は無名に勝る。彼をヘッドコーチにすれば、次は江川が監督だと江川もファンも期待するだろう。しかし、監督にはしないんだ」などと、この独断人事の狙いを打ち明けました。
私は渡邉氏の行為は企業統治の原則に反し、コンプライアンス違反に当たるというだけでなく、巨人のエースだった江川氏を集客の道具にしか見ておらず、彼のユニホーム姿に期待するファンを愚弄するものではないかと思わざるを得ません。かつて、「たかが選手」という渡邉氏の発言がありましたが、「たかが江川」「たかがファン」という底意に基づいた人事を、取締役として到底容認することはできませんでした。
第4点は、渡邉氏が巨人軍の原辰徳監督らを今回のコンプライアンス違反の問題に巻き込んでしまったことです。渡邉氏は、江川氏を招聘するにあたって原監督に交渉させ、報告を受けることにしていた、と私や桃井元オーナーに明らかにしています。実際に、交渉が行なわれたかは不明ですが、巨人の象徴的存在である監督を権限外の問題に巻き込むことは許されないことです。
第5点ですが、私は、2004年8月、読売巨人軍の取締役球団代表兼編成本部長に就任し、2011年6月7日には、専務取締役球団代表兼GM・編成本部長・オーナー代行に就任しました。この球団代表は、英訳すればGM(ゼネラルマネージャー)に相当する役職です。
GMといえば、アメリカ大リーグにおけるのと同様に、球団の選手、コーチ、監督(フィールドマネージャー)の人事権を掌握する役職を意味しており、ドラフトやFA交渉、主要トレード等球団の戦力整備が主な権限であります。
この点は、株式会社読売巨人軍においても基本的に同様です。「読売巨人軍職制」「読売巨人軍組織規定」が球団代表(=GM)や編成本部長の権限等を規定しています。それらの規定によれば、球団代表は、オーナー、社長の命を受け、球団経営業務を統括するとされており、編成本部長が球団のチーム編成及び運営、外国人選手の獲得、スカウト、ドラフト会議、移籍、チーム運営、査定と契約更改、二軍選手と育成選手の指導管理等の主管事務を掌理するとされていますので、実質的にはGMの権限と同じと理解していただければ良いと思います。
逆に親会社である読売新聞グループ本社代表取締役会長らにはこれらの権限が一切ないことがわかります。
読売巨人軍におけるコーチ人事に関する適正手続の中身は、球団代表(GM)兼編成本部長である私が監督やオーナーとも協議して人選、契約交渉を行ってコーチ人事を決定し、事実上、オーナーと渡邉氏に報告したうえで確定人事とし、球団代表(GM)兼編成本部長である私が調印を行う、というものであります。
従って、株式会社読売巨人軍におけるコーチ人事については、GM兼編成本部長である私に人選及び調印権限が帰属していたのであり、同社オーナー及び渡邉氏への報告を経た後のコーチ人事については、確定人事であって、たとえ株式会社読売巨人軍の親会社である、読売新聞グループ本社の代表取締役会長・主筆であり、読売巨人軍の取締役会長である渡邉氏といえども、それを覆すことは決して許されない、これが、株式会社読売巨人軍におけるコーチ人事に関する適正手続の中身なのです。実際、過去に上記適正手続に従って確定したコーチ人事について、渡邉氏が横やりを入れたり、覆した事は一度もありませんでした。
それにもかかわらず、渡邉氏は、この適正手続を「鶴の一声」で公然と破ろうとしたのです。つまり、問題の本質は、「渡邉氏の行為はコンプライアンス違反であり、コンプライアンスの維持を重要な内容とする株式会社の内部統制・企業統治に違反するものである」ということです。
第6点として、私の解任の底流にあるものについてお話します。私が読売巨人軍に入社した2004年は、球界にとっての一つの大きな転機となった年でした。
2004年8月、明治大学の一場靖弘投手に対する「裏金事件」が発覚しました。その責任をとる形で、渡邉氏はオーナーから退き、当時の土井誠社長、三山秀昭代表らが解任されました。私は、三山氏のあとを継いで、読売巨人軍取締役球団代表兼編成本部長に就任しました。この際、私に託された使命は、大きく失墜した巨人軍の信頼回復と球団経営改革であり、コンプライアンスの徹底でした。私は常々、渡邉氏や桃井元オーナーから、裏金や情実による選手獲得人事を廃し、球団代表=GMに球団選手、コーチ、監督等の人事権を集約させることや読売巨人軍の信用回復のため、不祥事の再発防止、コンプライアンスの徹底に努めてほしいと要請されました。
そして、2011年6月7日には、専務取締役球団代表兼GM・編成本部長・オーナー代行に就任し、名実ともにGMに就任し、より一層の球団経営改革とコンプライアンスの徹底を要請される立場になったのです。
私は、これまで球団改革の一つとして、新しい選手養成システムの「育成制度」に取り組みました。この育成制度の定着が、巨人軍選手による三年連続の新人王獲得につながったと自負しています。
また、ドラフトやFA交渉、主要トレードの人選においても、メジャー球団で取り入れられていた、選手個々人の能力を客観的な数値において評価分析する手法であるBOS(ベースボール・オペレーション・システム)を導入し、裏金や情実による人事を廃してコンプライアンスを徹底し、客観的・合理的な評価・分析によるスカウト制度を実現しました。
読売巨人軍の創設者正力松太郎氏が残したいわゆる「正力三訓」は、「巨人軍は常に紳士たれ」「巨人軍は常に強くあれ」「巨人軍はアメリカ野球に追いつけ、そして追い越せ」というものです。私はこの「正力三訓」を実践するために、球団経営改革やコンプライアンスの徹底を進めてきたのです。
そして、球団経営の合理化及び近代化改革を推し進めるべく、来期に向けた人事を正規の手続を踏んで進めていた矢先に、旧来の商店経営の典型である、鶴の一声で渡邉氏はこれを覆そうとしたのです。
私は読売新聞の社会部記者でした。記者時代は、大手企業のコンプライアンス違反を追及し、コンプライアンス違反を犯した企業のトップやそれを食い止めなかった人々を強く批判してきました。その私が今回のような、ファンの皆様を裏切り、選手、コーチ、監督及び心ある球団職員を裏切る重大なコンプライアンス違反をポストに釣られて見逃したのでは、人の道に反するものだと思いました。
記者会見以来、多くの関係者の皆様から、様々な形で大きな励ましを頂きました。声は上げられないけれども、同じ志の人々が読売新聞グループ本社内にも、読売巨人軍内にもたくさんおられ、その方々と心と心であつく連帯していることを感じます。
また、この間、多くのファンの皆様から温かいお励ましも頂きました。私は、多くのファンの皆様が、健全なプロ野球界の実現をこれほどまでに真剣に考えていてくださることに、心から感謝申し上げたいと思います。
私に対する解任は、コンプライアンス違反を隠蔽するための、そして、報復措置としてのものであり、違法・不当なものですから、そう遠くない時期に、必要な訴訟を提起する予定です。
以上

これに対し、桃井恒和ジャイアンツ球団社長が発表した反論のコメントは以下の通り。

本日の会見を開き、先日公表した清武君の解任理由はすべて正当であり、変更すべきところはないと改めて確信した。清武君の会見内容には、事実と異なるところ、牽強付会というべき個所が少なからずある。たとえば、コーチを新たに1人加えると別のコーチが職を失うという発言があったが、1軍のベンチ入りコーチの登録者数はセ・リーグ・アグリーメントで定められているものの、2軍のベンチ入りコーチや育成コーチに何ら制限はないし、巨人軍としてもコーチの定員を決めていない。巨人軍のコーチの総数は年々増える傾向にある。したがって、だれかが必ず職を失うというのは誤りである。また、コーチ人事はいったん決めたら、その後一切の変更は許されないという理解も巨人軍の内部にはない。来季の優勝に向けて最良のコーチ体制を追求し続けるのが本来であって、コーチ人事を発表した後に、新たにコーチを加えたことは過去にもあった。コーチの人選の権限がだれにあるか、日本のプロ野球では必ずしも明確ではない。監督が中心となって決めるチームもあるし、球団フロントが中心となって決めるチームもある。巨人軍の場合、近年はフロントが最終決定をするようにしていた。しかし、それは、監督らさまざまな関係者と意見を交換しながらフロントが最終決定するという意味で、今回のようなクライマックスシリーズ敗退という事態を受けて一部修正の検討をするのは当然である。読売巨人軍職制、読売巨人軍組織規定に、GMに関する条文はまったくない。コーチの人事権がだれにあるのか明確に定めた条文もない。「球団代表は(略)球団経営業務を統括する」「編成本部は球団のチーム編成および運営に関する業務を行う」と規定しているに過ぎない。同席した吉峯弁護士が、清武問題と関連づけて、「読売新聞の記事の品質が心配だ」と発言したのは、取材・報道活動に真剣に携わっている記者、論説委員、編集委員らに対する根拠のない誹謗であり、清武問題と関係のない読売新聞の信用を傷つけるもので看過しがたい。発言の撤回を求めたい。
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個人的には清武さんの主張に一理あって、桃井球団社長の反論は
何ら反論になっておらず、「巨人軍は、株主である読売新聞グループ本社のものであると同時に、選手、コーチ、監督のものであり、また、読売巨人軍及びプロ野球のファンの皆様のものでもある」
プロ野球球団は親会社のものであるとともに選手、ファンが支えるべきもので、
ナベツネ支配に逆らったという意味で特筆に値するものとおもいます。
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